こんにちは。すっかり春らしくなってきたと思ったら、
突然雪が降ったりと、なかなか暖かい日々は続きませんね。

さて、今日は技術的な内容ではなく、
AIのこれからの展望と課題について、雑感を綴りたいと思います。
また、以下の文中ではAIという言葉を使用していますが、DeepLearningのこととして捉えてください。

AIへの期待の高まりとこれから
近年、毎日というくらいAI関連のニュースが飛び交い、AIというワードは世間に浸透してきました。その反面、自動運転に代表されるようにAIによって実現間近といわれてきた技術は鈍化がみられ、なかなか皆が思い描くような形では実現していません。
もっとも、自動運転については倫理的な問題も含んでいるため、単に技術だけの問題であるとは言えませんが。

今思い返してみると、4,5年前は全く違う状況でした。Googleが10万枚数の画像を学習し、
猫を認識できるようになったと発表した時、多くの人々がそれが何の役に立つのかと首を傾げたものでした。しかし、それから5年あまり、今日では、実社会の多くの場所で、AIは実用化されています。
それは、主にマーケティングや業務の最適化だったり、株価予測やセキュリティなど、主にIT関係の企業で行われてきました。

そして、今後は間違いなくそれ以外の産業でAIの活用が大幅に増えていくと予想されます。
つまりそれは、農水産業、建設業、サービス業などの非IT企業に大きな可能性があるということです。

AIの技術的な問題点として、現時点で100%の精度を出すAIは非常に困難で危険であるとも言えます。
何故ならば、AIの特性として、仮に100%の精度を出すAIを作れたとしても、
過学習や新規の問題に対する柔軟性が劣るなどの不安要素を抱えている可能性が高いからです。
逆に言えば、100%の精度が必要とされるところでは、それほど発展していかないのではと考えられます。

つまり、AIは完全なものではないという認識のもと、人間が行うよりも効率的で意味がある作業や産業に対していち早くソリューションを提供し、目に見える形で結果を出すということが、これからのAIにおける大きな戦略の一つだと言えると思います。

 

海外との差
これは残念ながら、現状大きな差があります。
私自身、海外のスタートアップに属しているため、日々痛感しています。
例えば、当たり前ですがAIに限らずほぼ全ての技術論文は英語で発表されます。
そして、新しいAIに関する論文が毎週というぐらい発表され、AIの能力は日々成長しています。
そういった状況で、英語から日本語に翻訳されるのを待っていたのでは遅すぎます。

また、海外との差はなにも技術的な問題ばかりではありません。
一番大きなものは、投資額とスピード感です。
アメリカにおいては非常にダイナミックで、日々、多額の投資がAI関連企業に対して行われています。
また、中国やシンガポールといった国では、国家レベルでAI技術に投資を行い
交通渋滞や様々な社会問題を解決しています。
これは、日本が未来に対してギャンブル的な投資を行うのをよしとしない社会であるということにも起因していますが、現在のAIに対する消極的な姿勢は、インターネット黎明期に多くの企業がその可能性を軽んじ、日本の電気メーカーをはじめ多くの企業が没落したいった時と重なる気がしています。

日本にとって、希望となるのはシリコンバレーで今、多額の投資を行い
猛威を振るっているのが、孫正義率いる、VisionFoundということでしょうか。

 

AI技術者の育成
日本が海外に対抗していく一つの解決策としては、AIの技術者を育成していくことだと思います。なぜなら、AIの技術はまだまだ黎明期であり、これからさらなる発展が望めるからです。
先日、チューリング賞の受賞が決まったジェフリー・ヒントン、ヤン・ルカン、ヨシュア・ベンジオらは、長いAIの冬の時代を経験し、多くの研究者に時代遅れと言われながらも、諦めずに研究を続けてきました。しかし、彼らは決して若くないため、これらの研究者に続く若い人材を育てていくことが必要です。
具体的には、東京大学の松尾先生達が行なっている、
実践的な教育を、もっと大きいスケールでやっていくことだと思います。

学生ではなく、これからAIを始めようとしている技術者または非技術者はどうすればいいのか。
一番早い方法は、WEBのオンラインコースでAIを勉強することです。
そして、実際の問題に取り組んでみることです。
例えば、分類問題や物体認識でも、チュートリアルを行うことと、実際の課題に取り組むことではとてつもなく大きな差があります。
なぜならば、チュートリアルではうまくいっていても、実際の課題に取り組むと必ず問題が出てくるからです。
先日、打ち合わせをした某大手電気メーカーのイノベーション担当の方もこんなことを言ってました。
「多くのスタートアップ企業に会っているが、その半分くらいは、
   顔認識や行動解析のチュートリアルを行なっただけのものを
   さも、どうだと言わんばかりに見せてきてうんざりしている」
驚くべきことですが、これが日本の現状です。
実際の問題に真剣に取り組み、乗り越えることで新たな知見を持つことができ、それが技術者にとっての資産になっていきます。
また、フレームワークとネットワークの理解のために、
KerasやTensorflowで書かれたモデルをPyTorchなどの異なるフレームワークで書き直してみる方法もおすすめです。

ある程度、自由にモデルを実装できるようになったら、新しい論文を読んで実装してみましょう。
論文を読むと、その時は分かった気になってしますのですが、実は身についていないことが多いです。
自分で論文を読み実装し、再現性を確認することで、フレームワークに慣れることもでき、数学的なアプローチも身につくことができます。
また、論文で発表されたモデルであっても、自由に実装できる技術があれば自分のアイディアを即座に試すことができ、結果、論文の精度を超えてしまったなんてことは、よくある話です。

 

広い視野とチャレンジ精神
では、今後日本がどのような戦略をもって、GAFAなどの世界中の企業と戦っていくのかというと
前述したように、AI技術者の育成を含め、既存の産業が持っている問題点を掘り起こし、
大きなチャレンジ精神で挑んでいくことだと感じています。
文章で書くと「なんだ、そんなことか」と思われがちですが、現在のAIはとにかくやってみるということがものすごく大切です。
その結果、大きな失敗もするでしょうが、その知見をもとに最終的に大きな成功へと導いていけばいいのです。

また、日本は幸か不幸か、高齢化や人手不足など、解決すべき社会問題が多く存在します。
そういった問題を、世界に先駆けてAI(を含めた技術)で解決していくことで、世界をリードすることが可能だと思っています。
広い視野を持ち、困難に立ち向かっていくことができれば、道は開けると信じて進んでいくべきです。

以上、自分自身への戒めも含めて、最近思っていることを綴りました。

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